Crichの歩み

学生団体Crich。イベントの開催や履修情報検索ページの作成やサークル紹介やオープンチャットや質問箱など、様々な活動をしている。だがそんな彼らは、ほんの数ヶ月前に動き出したばかりの若い団体だった。今回は彼らのこれまでの歩みを振り返る。

はじまりはグルメ紹介から


今や「これをやっています!」と一言で言い表せないくらい風呂敷を広げているCrichですが、
最初はインスタでグルメ紹介をやっていくつもりでした。

メンバーの一人、
元々グルメやカフェ好きだった慶應義塾大学法学部政治学科当時1年の宮田が、
2020年12月12日にインターンで「りょうくんグルメ」の取材に行ったことをきっかけに、
自分でもグルメ紹介をしたいと思ったのです。

自分が一番便利に思うグルメ紹介をしよう
それならまずは大学がある日吉がいい。
そんでWiFiやコンセントがあるカフェだな。

そしたら慶應生に特化すればいいんじゃね?
日吉の美味しいランチとか、東横線沿線の課題ができるカフェ、慶應生がよく行く遊び場なんかを紹介しよう。

いや、もっと広げて、慶應のOBがやってる料亭やホテルなどとも繋げて、
慶應生なら誰でもその加盟店で安く食事ができるシステムを作ってみては?

みたいな感じで妄想を膨らませ始めた四日後。
2020年12月18日に、
今やオープンチャットやツイッターで新入生から『法政のヌッコ』として親しまれているアイツと、大学の自習室にて高校ぶりの再会を果たします。

 

『法政のヌッコ』との再会。集う仲間


ヌッコは、高校の時からめちゃくちゃ頭がよかったです。
そんなに仲良かったわけじゃないけど、試験勉強はよく一緒にしていました。とにかくキレ物って感じで、宮田にはない頭の使い方ができるやつでした。

だから宮田はすぐに、久々に会ったヌッコに今考えていることを打ち明けました。

すると、

「面白い。俺も何か始めたかった」

ヌッコはそう言って、宮田と共に真剣に考え始めてくれました。

そんなヌッコを見て、宮田は「何かすごいことになりそうだ」と確信します。ガチのヌッコはいつもなにか大きなことをやってました。

そしてその確信のまま、宮田はそういえばと、以前インスタでデザイナーをやっていそうなストーリーを上げていたアカウントの存在を思い出します。

インスタを使うなら、デザインができる人はいた方がいいよな。
確かあの子も慶應の1年生だったはず。
ちょっと話しかけてみるか。

そう思ってDMを飛ばし、今やろうと思っていることを話してみることにしました。

それまで、全く面識はありません
一度軽くDMで話したことがあったくらいだったので、どうせ不審がられて終わりだろうと、そう思っていたのに、

「私も、何か新しいことを始めたかった」

あまりにもすんなりと引き受けてくれたので、拍子抜けしたくらいです。

宮田、ヌッコ、Mさん。

Crichの初期メンバー3人が集まりました。

 

Crich結成。二度目の緊急事態宣言の折


2020年12月12.5日のりょうくんグルメ取材が構想の萌芽となったCrichですが、

結成の瞬間といえば、2021年が開けた1月6日のことでしょう。

2021年1月6日。

それは奇しくも、二度目の緊急事態宣言が発令される二日前のことでした。

緊急事態宣言は、いやコロナは、私たちの代を大きく狂わせました。
一度目の緊急事態宣言が発令されたのは4月。
そのタイミングで入学した私たちは、入学式もなく、対面授業もなく、サークル活動も全面的に禁止された中、自宅に閉じこもって『大学生活』を始めることになりました。

21年度とは違、誰もが等しく初めて直面するコロナに戸惑っていたのが2020年です。
大学側も先輩たちも右往左往しており、助けを求める相手すら見つかりませんでした。

そんな一年を過ごした我々が「何をしていこうか」と話し合った結果、
当然挙がるのはコロナへの不満ばかりでした。

ずっと家にいるの気が狂うよな。
出席やテストがないからって課題多すぎるよ。
どのサークルに入ればいいかわからなかった。
サークルに入っても、まともに活動なんてできなかったよ。

最初は、慶應生に特化したグルメ紹介のつもりでした。
しかし話していくうちに、グルメ以外でもっと大学生に必要なものが無数にあるだろうという結論に至ったのです。

Crichの方針が決まった瞬間でした。

 

Campusライフを、よりrichに。


学生って、高校生の頃からは考えられないくらい選択肢が広がります。
例えばCrich創設メンバーの3人は、全員インターンをしていました。
社会に近いところで、大人に混ざって実務をし、知識や経験を積む。これは高校生ではなかなかできることではありません。
今振り返ると、メンバーのそうしたインターン経験がなければ、Crichがこれだけ手広く活動できることはなかったと思います。
小さなノウハウの積み重ねがCrichを今日の姿まで育てました。

宮田は新聞制作のインターンで話力と文章力を。
ヌッコはベンチャーのインターンでマネジメントと戦略を。
MさんはIT広告のインターンでデザインとマーケティングを。

様々な経験から来るノウハウがあったからこそ、そのさらに先の行動に繋げることができました。

大学生って本来、こういうことだと思います。
豊かな経験をして、豊かな人間性を養い、豊かな未来へ向かう。

しかしコロナ禍において、それは非常に難しいです。
自宅に閉じこもることを余儀なくされる生活では、「やりたいこと」を見つけるのも難しく、例え見つけたところで、実際に行動を始めるまでにまた障壁がある。
そして始めたところで、得られるものはごくわずかしかなかったりする。

本来豊かな経験ができるはずの大学生活が、自宅でパソコンと睨み合うだけで終わってしまうんです。

だから、大学生活を、より豊かに。

転じて、
Campusライフを、よりrichに。

大学生が取り得る無数の選択肢を可視化することで、
大学生活で得られる経験を豊かにしたい。

コロナ禍でも、コロナ禍だからこそ、
何か打ち込めるものを見つけられるように。

同じ青写真を思い描きました。

 

サークル・履修紹介サイトの立ち上げ


では具体的に何をやるか。

あまり悩まずに決まりました。
我々自身が必要と感じたものを生み出せばいいだけだからです。

当初の予定通りグルメ情報をインスタで公開しながら、それと並行してサークル紹介も行うことにしました。
自分たちの年は対面の新歓が一切なく、オンライン新歓の存在を逃してしまうとタイミングを逃してしまい、途中入部のハードルを感じてしまったからです。
ちなみに我々はそんな想いから、サークル紹介ページには「途中入部する学生へ」という項目を設置しています。サークルに入れなかった同級生が少しでもハードルを感じないためです。
まあそういったことも含めて、

とにかくたくさんのサークルを知られる場所が必要だ。

そう思い、最初はインスタグラムでサークル紹介をしようと考えました。
しかし思い返すと、昨年知りたかったのはサークル情報だけではありませんでした。

特に春には、履修情報が圧倒的に不足していました。
例年はサークル新歓の中で、先輩から誰の授業がどうだという口コミも得られたそうです。しかし我々にそれはなく、さらに授業ガイダンスもないまま履修登録をする必要があった。

次の新入生も、きっとそれは同じだろう。

この頃には我々の価値判断の基準は、徐々に「我々自身が何をしたいか」から「次の新入生は何を欲しいか」へと変わっていました。

履修情報は数千件に及ぶ。
これをインスタやツイッターで紹介するのは無理だ。

じゃあ、ウェブサイトを作ればいいんだ。

名案だ、それしかない、というように決まった次の行動は、地獄の始まりでした。

 

行き当たりばったりなバカばっかり


サークル・履修情報サイトを立ち上げるに当たって、必要なのは『中身』と『外枠』です。

サークル情報や履修情報が集まらないとサイトはハリボテですし、そもそもサイトがなければそれらの情報は横溢して終わる。

まずは中身が重要だとということになり、
我々はまずサークル情報を集めようと思いました。
方法は、『全サークルのツイッターにDMする』です。

慶應だけでサークルは400サークルほどあります。
それらのサークルを全てリストアップし、(しかもとある事情でサークルごとに名前を変えたGoogleフォームを作ったりもして)、全員にDMを送る。

地獄です。

でもそれ以外に方法はありませんでした。

そこで人員が3人だと足りなすぎるということになり、急遽ヌッコが信用できる友人をCrichに誘うことになりました。
ヌッコは『俺より優秀だと思うやつだけを誘う』と言いました。
宮田は全幅の信頼をおきました。

高校一年の時から投資をやってた友達がいる。

そんなヌッコに誘われて加わった慶應経済の『経済のイッヌ』は、様々な企業のいろんなサービスを知っていて、Crichで新しいことをしたいと思った時に現実的な形に落とし込んでくれます。

早稲田の政経に俺よりめちゃくちゃキレ者の幼馴染がいる。

そんなヌッコに誘われて加わった早稲田生の『ナベ』は、物事を現実的見る視点が優れていて、夢想家の宮田をヌッコと共に引き留めてくれます。そして何より早稲田生で、Crichが早稲田にも展開する道を切り開いてくれました。

なんかやらせとけ。

そんなヌッコに誘われて加わった『YK』は、なんか色々やってくれてます。

さらにその後、宮田が学生新聞のインターンで遭遇した『えいと』が加入。ナベに続き2人目の早稲田生であることや、ビジネスについて詳しいことから意気投合しました。

これらのメンバーが加わりながら、なんとかサークル情報の収集と整理を行うことができ、さらに、履修情報をまとめてwebサイトに公開、新一年生に向けた履修相談会の実施など、Crichは思い描いていた様々な挑戦を現実にしていきました。

 

空想は実行の根源


宮田の妄想から始まったこの団体は、6人の仲間と切磋琢磨し、瞬く間に成長していきました。今皆さんにご覧いただいているこのサイトの設立の背景にも、このような経緯があったのです。今やTwitterのフォロワー数は3アカウントで合計4000人を超え、その他Instagramやwebサイト、LINEもありがたいことにたくさんの方にご利用いただいています。

しかし、我々Crichの冒険はまだ始まったばかり。最高のメンバーと共に、これからも私たちは早慶生の皆さんのCampusライフをよりrichにするために様々な挑戦を行い、さらなる活動を繰り広げていく所存です。

この記事を読んでいるあなたの大学生活が、自宅でパソコンと睨み合うだけで終わってしまわないように。

今日も我々は、自宅でパソコンと睨み合いながら、Crichのタスクをこなしています。

 

あとがき


僕はCrichに2期生として加入している1年生の者です。

この記事は、4月の時点で宮田さんが途中まで書いていたものを8月に偶然後輩の僕が発掘し、宮田さんから話を伺いながら完成させたものです。

記事に書かれているCrichの歩みは4月初頭までのものですが、この後、僕たち2期生の加入や、河野太郎大臣をお迎えした4daysイベントの成功など、1期生の先輩方も想像だにしなかったような方向にこの団体は大きくなっていきます。

後輩の僕から見た先輩方は、スキル・人間性共に素敵な人達ばかりです。皆さん非常に頭がキレていて、行動力があり、この団体を立ち上げここまで大きくしたことにとても納得できます。また、人として尊敬でき、頼り甲斐のある先輩もたくさんいますし、中には、こやつ人間性のステータスを頭脳に全振りしてやがる…!って人もいます。褒めてます。

さらに2期生も非常に優秀な強者揃いです。以前開催したレポート講座は2期生だけで企画し成功させたものでした。企画力や文章力、デザイン力など、様々な実力を持った人達が集まり、1期生の皆さんと共にこの団体を支えています。(この記事を書いている僕が一番活躍できていないかもしれません。)

1期生、2期生共に素晴らしい人達が集まり、Crichは運営されています。この「Crichの歩み」が単なる一歩目に過ぎなかったといえるように、これからも僕たちでCrichを成長させ、皆さんの学生生活のさらなる一助となりたいと強く思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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